彼らがくれたもの・メッセージ
©️ 2016 Paramount Pictures.メッセージ
8点
「テッド・チャンの短編小説「あなたの人生の物語」を基にしたSFドラマ。球体型宇宙船で地球に飛来した知的生命体との対話に挑む、女性言語学者の姿を見つめる。メガホンを取るのは、『ボーダーライン』などのドゥニ・ヴィルヌーヴ。『ザ・マスター』などのエイミー・アダムス、『アベンジャーズ』シリーズなどのジェレミー・レナー、『ラストキング・オブ・スコットランド』などのフォレスト・ウィテカーらが結集する。
巨大な球体型宇宙船が、突如地球に降り立つ。世界中が不安と混乱に包まれる中、言語学者のルイーズ(エイミー・アダムス)は宇宙船に乗ってきた者たちの言語を解読するよう軍から依頼される。彼らが使う文字を懸命に読み解いていくと、彼女は時間をさかのぼるような不思議な感覚に陥る。やがて言語をめぐるさまざまな謎が解け、彼らが地球を訪れた思いも寄らない理由と、人類に向けられたメッセージが判明し……」
引用元 URLhttps://movies.yahoo.co.jp/movie/358130/
ルイーズのちょっとした豆知識のような話をするシーンが面白かったです。そして、これが、その後のストーリー展開を予想や空想させるようなセリフでいいなと思いました。
サウンドトラックは、神秘的なのに、恐ろしさも感じられるような音楽で、素晴らしいなと思いました。
ヘプタポッドと呼ばれるエイリアンの映像は、鯨のような声やタコのような見た目だったのが、親しみやすさと新しさのバランスがいいなと思いました。
未知の言語を紐解いていくストーリーは、思考と言語の繋がりや言語を理解するための順序は、どうするかといったリアリティある描写でした。
そして、それだけでなく、彼らが使う言語に時制がなかったり、前や後ろを表現する言葉がないなど、エイリアンの設定が作り込まれている印象を受けました。
この映画では、過去を思い出すように未来が見えるということが描かれていました。
そして、ユニバーサル言語という過去と未来の区別がない言語を身につけることで新しい考えを身につけることができるという描写は、斬新で面白いなと思いました。
ルイーザだけを描くのではなく、世界の動きや軍の司令官のキャラクターがいたことで、リアリティがあったのと、置いてきぼりにならないのは、素晴らしいなと思いました。
後半のルイーザが頭に浮かぶ映像にコメントするシーンは、見る人によっては、衝撃的な展開だと感じられると思います。
ただ、ルイーザが、ヘプタポッドに出会って、彼らの言葉を理解しようとしたり、周りの人間に意見する様子が描かれてはいましたが、彼女がストーリーを経て成長したり、学びを得る展開がないのが、どうしても見ていて感情移入や共感できないキャラクターだなと思ってしまいました。なので、感情を表現するようなシーンが欲しかったです。
それと、ルイーザの物語だというのを強調させるためにも、彼女の変化がわかる描写を映画の前半と後半で描いて欲しかったです。